「アーティスト・イン・レジデンスあさひかわ(AIRA)」の招へいアーティスト、フォトグラファーの山本佳代子さんが十九日、旭藤星高を訪れ、生徒と交流した。

 同校のイベント「オーバー・ザ・ウォール」の第一回目で、一、二年生九人が参加した。

 山本さんは、東京都在住。レコード会社勤務を経て、二〇一一年からフォトグラファーとして活動を始めた。主にアーティストのCDジャケットやポートレート、ライブ写真などを手がけている。

 イベントでは、山本さんが自身の活動を画像で紹介したあと、写真を撮るようになったきっかけや、写真に対する考え方などについて、生徒たちと対話した。山本さんは「写真を撮っている人はぜひ外に発表してみて下さい。写真は人の心に響くもので、自分の撮った写真で誰かに喜んでもらえると自信にもなり、他人とのコミュニケーションツールにもなります」と話した。

 また山本さんは、コロナ禍で自粛が続いていた昨年四月、ベランダにいる友人を望遠レンズで撮影するシリーズ「バルコニーシューティングツアー」を始め、注目を集めた。大手セレクトショップ「ビームス」の公式ムービーにも山本さんのアイデアが採用されたという。「自分の行動がきっかけで、このような素晴らしい作品につながるということを実感し、自分でも驚きました。夢があるんです」と山本さんは生徒たちに語りかけた。

 イベントの実行委員長・田中芽依子さん(17)は、「何かを表現することや伝えることに興味があり、将来そのような仕事をしたいと思っています。第一線で活躍している山本さんの話を間近で聞けて、夢がもらえました」と笑顔で話した。

26日から成果展 旭川の「人」写す

 山本さんの滞在成果展「満塁」が二十六日(金)から、複合型ギャラリー・VKTR(ヴィクタ、市内一ノ四)で開かれる。

 山本さんは滞在中、様々な場所に足を運び、老舗の店主や、力みなぎる若者たちなど、旭川の「人」を中心にシャッターを切った。「旭川に来てから毎日充実していて、その気持ちを『満塁』というタイトルで表現しました。展示する写真のほとんどが旭川の『人』を撮ったもので、特に若者のカルチャーが面白く、このまちでは音楽を強く感じています。また、レジェンドと呼べるようなすごい人たちがいることも知ってほしいですね。たくさんの人が写真を見て、『旭川って良いまちだね』と再認識してもらえたら」と話す。

 同展では、A1~A3サイズを中心に、約百枚の写真が並び、二十七日(土)午後二時からは、山本さんのトークイベントも行う。

 展示は四日間行い、二十六日が午後二時~同十時、二十七日が正午~午後八時、三月一日(月)と二日(火)が、午後一時半~同五時。入場無料。

 問い合わせはAIRA事務局(TEL080―7992―3084、メール airavktr@gmail.com)へ。(東寛樹)