北海道と資源エネルギー庁が十一月十五日、北海道電力泊原子力発電所三号機の再稼働に関する住民説明会を旭川勤労者福祉会館(六ノ四)で開いた。説明会は札幌、函館に次いで三カ所目で、市民ら約四十人が参加した。

 同庁は、国のエネルギー・原子力政策について説明。エネルギー安定供給の確保を第一に据えて第七次エネルギー基本計画を策定したとし、「再生可能エネルギーか原子力かといった二項対立的な議論ではなく、再生可能エネルギーや原子力などの脱炭素電源を最大限活用することが必要不可欠」と力説。

 北電は、安全性を前提に安定供給と経済効率性、環境適合を同時に達成させることが重要と前置き。「二〇五〇年のカーボンニュートラル実現のために、泊原発の重要性は高まっている」「さまざまな安全性対策を講じている」とし、「泊原発再稼働で家庭用電気料金を一一%程度値下げする」と説明した。

 参加者からは「円安で物価が高騰している中で、果たして電力料金の値下げができるのか」「核廃棄物の最終処分場も決まらず、福島の復興もいつ終わるとも知れない。国は責任をもって取り組むというが、こんな状況下で原発を再稼働していいのか」「北海道は日本の食料基地。万一、事故が起こった場合、どれくらいの経済損失が見込まれるか、道は試算しているのか」「各自治体が防災・避難計画を作成するというが、人口二~三千人の町村職員で果たして計画を作成できる者が何人いるか疑問。道やエネ庁が責任を持って指導すべき」などといった原発再稼働に否定的な質問や意見が相次いだ。

 これに対し、道や同庁、北電は「値下げ幅はモデル試算として出した数字」「国が責任をもって対応する」「事故が起こった時の経済的損失の試算は行っていない」「国や道にとも連携を取りながら避難計画を作成している」などと答えた。(佐久間和久)