img旭川藤女子高校PTA(高倉雄司会長)主催の講演会が二月二十九日、同校で開かれ、パラリンピックアイススレッジホッケー日本代表の永瀬充さん(32)が「可能性を決めつけない」と題して、自らのこれまでの歩みなどを語った。

永瀬さんは旭川出身。神居中時代から凌雲高校一年生の秋までは、バスケットボールに打ち込むごく普通の生活を送っていたが、神経の難病を発症して、車椅子の生活になった。その後、刃のついたそりに乗ってプレーするアイススレッジホッケーに出合い、パラリンピック日本代表として長野、ソルトレーク、トリノの三大会に連続出場。現在は一〇年のバンクーバー大会出場に向けて練習を重ねている。またカナダの大学の障がい者支援ワーカー科を卒業した経歴を生かし、上川圏域障がい者総合相談支援センターで相談員としても活躍している。

この日は全校生徒と職員、父母が体育館に集まり、拍手で永瀬さんを迎えた。永瀬さんは、発症後ベッドの上で過ごす日が続いた時は、なぜ自分だけこのような目に遭わなければならないのかと、絶望的な思いにかられたが、テレビで車椅子の人たちがスポーツを楽しむのを見て「自分も出来るのでは」と再び目標を得て力が出てきた経験などを熱く語った。アイススレッジホッケーは、北海道らしい冬のスポーツで、パラリンピック出場を目指そうと選んだという。永瀬さんは「いろいろなことに挑戦すれば、納得出来る人生を送れるのではないでしょうか」と、卒業を控えた三年生にはなむけの言葉も送った。

話の合間には試合で使うスレッジやスティック、ヘルメットなどを見せたり、ソルトレーク大会のテレビ番組やトリノ大会の写真などを上映。生徒たちは実際にスティックやパックに触れながら永瀬さんの話に聞き入っていた。