画像市内在住の純生美術会会友・宮川妙子さん(83)が描いた日本画の展示会が、ギャラリー北の森(豊岡一ノ二桜井ビル一階)で開かれている。宮川さんにとって、初の個展。

宮川さんは一九二四年(大正十三年)、旭川市生まれ。幼い頃から絵画に深い関心を持ち、油彩や水彩に親しんできた。コンクールなどで受賞することも数多く、上京して専門に絵画を学びたいと希望したが、当時の女性にとっては社会的に壁が厚く、また次第に戦時の色が濃くなる中で、その思いは阻まれた。

戦後は小学校の教員を務めた。子育てが終わってから、ろうけつ染めを始めたほか、五十歳頃から日本画を始め、市内在住の日本画家・伊藤猛氏に師事した。

今展の作品は、宮川さんが五十歳から六十五歳頃までに描いたものが中心。子どもの頃から培った絵画の腕前が日本画にも如何なく発揮されている。キャンバス地に顔彩を用いて描かれた絵は、写実的で実にあざやかな印象だ。柿と葡萄をモチーフにした静物画からは、今にも熟柿の芳香が漂いそうである。会場には、ポピーをモチーフにした百号の作品を柱に、六~十号の静物画合わせて十一点を展示している。油彩や水彩と比較して、目立たない感のある日本画だが、改めてその良さを再認識させてくれる展示だ。画像

宮川さんは現在、高齢なこともあり入院して加療している。宮川さんの次男、達二さん(56)はこの展示会について、「これらの作品は、母の家の奥で、誰の目にも触れずに埋もれていました。母を良く知る人にとっても、おそらく初めて目にする絵画のはずです。特に母の友人・知人の方々には、その歩みを見る意味も含めて観覧に来て頂きたい。本人は高齢なので、もう創作していませんから、これが最初で最後の絵画展になるでしょう」と話している。

三十一日まで。午前十時~午後六時(最終日は午後三時まで)。問い合わせはギャラリー北の森(TEL39―2733)へ。