減りつつある市場建物を紹介する写真展「少なくなった旭川の市場建築」が十四日から、旭川屋ギャラリー(四条買物公園)で始まった。

 写真展を開いているのは、旭川の歴史的建物の保存を考える会会員の藤井啓之進さん(24)。藤井さんが市場建築に興味を持ったきっかけは十年前、北星市場(旭町二ノ三・既に解体された)の酒井食堂にラーメンを食べに入ったことだった。店主の女性から市場の昔話を聞くうち、市内に点在する市場建築を調べようと思い立った。

 以来、市内に当時十五棟あった市場を訪ね、写真撮影や取材を重ねてきた。この十年で、十五棟のうち前述の北星市場のほか、文化市場(四ノ十一)、一条市場(一ノ一)が解体されている。

 写真は十年前から全て自分で撮影している。会場には十年前と比較する定点撮影や、二階は住居で上部に明かり採りの窓がある市場建物の特徴を捉えた写真、建物所在地を分かりやすく示した地図など多くの資料を展示している。

 藤井さん自身、市場で買物をしたという経験はほとんどないという。「市場建築は確実に解体が進み、いずれ消えてしまう存在だと思うが、その記録を写真に残して後の時代に伝えたい。今後も市場に顔を出し続けて、昔を知る人に話を聞いておきたい」。

 入場無料。二十一日まで。午前十時~午後七時(最終日は午後三時まで)。