『北海道女性史研究・特集号』(北海道女性史研究会発行)の第三号が発刊された。

 特集号第一号では「このままでいいのか いまの日本 戦争はなし崩しにはじまり拡大していく」、第二号は「家族、生と死、尊厳死 九条の旗破るるとも竿放さず」のテーマで、労苦の歴史を黙々と生きてきた女性たちを取り上げ、戦争の悲惨さと愚かさを実証した。

 第三号のテーマは「昨日に学び 今を生きて 明日を考える 忘れまい あの戦争の史実を」。北海道から沖縄、そして韓国からと幅広い分野の執筆者が原稿を寄せている。

 その一部を紹介すると――。特別寄稿「鳩山内閣に託された重い課題」小野真実さん、「未来への伝言」早田リツ子さん、「戦争と医学者たちの犯罪」渡辺一晶さん、「知里真志保を未来に―誕生百年にちなんで」森山軍治郎さん、「声なき声の響き―四・三ツアーから考える」金京媛さん、「戦争直後の忘れられない思い出」比嘉照さん。

 発行責任者の高橋三枝子さんは「おんなは語りべ くらしの中心は女だから」と題し、自身の両親やカトリック系の学校での思い出、就職したマスコミ業界のことなどを記し、「過ちを正すには遅きに失するということはない。いま憲法が、壊憲への道を進もうとしている。『こえ』をあげなければならない刻がそこまで来ている。私は言いたいことを言っているのではない。言わなければならないことを言っているのだ」と書く。

 同誌についての問い合わせは高橋さん(TEL32―0664)まで。