旭川ゆかりの詩人小熊秀雄(一九〇一~四〇)の生誕百十周年を記念する展覧会「小熊秀雄ワールド」が二十日(日)から二十九日(火)まで、こども冨貴堂(七ノ八買物公園)内のギャラリーKIDSで開かれる。

 詩人として名高い小熊が画家として多くの作品を残していることは、あまり知られていない。今展では個人所蔵の油絵、水彩画、色紙、デッサンなど未 公開の絵画九点を展示する。また、三六年(昭和十一年)に詩誌「詩人」に発表された恋愛の詩「麻酔から醒めよう」の自筆原稿も展示する。

 同展実行委員長の小峯久希さんは「いまは景気が悪く、震災があって、憂鬱な気持ちでいる人が多いと思う。小熊の詩の中に『日本の憂愁(トスカ)』 という作品があるが、この中で小熊は、歩き出そうと若い人たちに呼びかけている。この展示会が若い人たちに同じように呼びかける機会になれば」と開催への 思いを話している。

 入場無料。午前十時~午後六時半。図録(千円)も販売する。問い合わせはこども冨貴堂(℡25―3169)へ。

アーサー・ビナードの講演会も

 小熊の命日でもある初日の二十日(日)には、アーサー・ビナードさんの講演会が午後二時から、こども冨貴堂隣のギャラリープルプルで開かれる。

 一九六七年アメリカ生まれ。大学在学中に漢字に興味を持ち、後に来日。小熊の童話作品「焼かれた魚」の英訳を契機に、日本語での詩作を始めた。詩 集「釣り上げては」(思潮社)で中原中也賞を受賞しているほか、エッセイ、絵本、翻訳、ラジオパーソナリティなど幅広く活動している。

 定員五十人。聴講を希望する人は住所、氏名(人数分)、年齢、電話番号、職業を明記して、こども冨貴堂まで葉書またはファクス(℡25―3171)で申し込むこと。