作家の江國香織さんや東野圭吾さんの本の装丁を手がけている旭川在住のイラストレーター、三井ヤスシ+さん(36)のポスター展「message(メッセージ)」がジュンク堂書店(一条買物公園・フィール旭川内)四階のブックマークカフェで開かれている。

 三井さんが過去に、仕事ではなく作家的に描いた作品七点に、ニーチェやヘッセ、スタンダール、そして三浦綾子さんなど“偉人”の言葉が添えられている。

 社会へのメッセージ性が強く表現されている絵に、言葉が添えられたことで、絵の世界にグッと近づくことができる。ピエロの口の中に原発と、札束を握る手が描かれた作品=右写真=では、三浦綾子さんの「私たちは、お金で買えぬ尊い命を与えられ日々生きている」という言葉が。

 元々、反戦や人権など社会性を持つイラスト集を見たことがきっかけでイラストを始めたという三井さん。「新聞やニュースなどで、僕が感じたことを絵にしています。お金になるとかならないではなく、絵でメッセージを伝えるというのが僕の原点です。ライフワークとして、生涯続けて行くつもりです」と話している。

 来年一月十四日まで(元日は休み)。開店時間は午前十時から午後七時半。問い合せはブックマークカフェ(TEL26―8121)まで。

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 また、三井さんが講師を務める道新文化センターイラスト講座の受講生と一緒に描いた作品展「PEACE」も市民活動交流センターCoCoDe(宮前通東)で二十八日(水)まで開催中だ。

 「尖閣諸島問題で緊張が走る日本と周辺国や、シリアやイラクの内戦やテロなど、争いが絶えない世の中で、日常の尊さを再認識することができたらと思います」と三井さんは話している。

 開館時間は午前九時から午後十時まで(最終日は午後四時半まで)。二十六日(月)は休館。問い合わせは同センター(TEL74―4151)まで。