版画家、末武英一さん(67)の写真展「痕跡エゾシカ」がきょう十七日(火)から、NHKハートプラザギャラリー(六ノ六)で始まりました。

 末武さんの自宅・ギャラリーは旭岡にあり、毎日、嵐山を歩き回っています。知る人ぞ知る、嵐山の自然ウォッチャーなのです。そんな末武さんが、冬の終わりから初夏の嵐山の森と近くの河川敷で撮影したエゾシカの「食痕」や雪に残る足跡を記録した写真展です。

 餌が少ない一月から冬の終わりまで、エゾシカは森の木の樹皮を食べます。茶色の幹に、シカたちに食べられて剥き出しになった地肌の白い模様が「食痕」です。

 末武さんは「人間には立場によって害獣と位置づけられてしまうシカですが、食痕はノミの痕に似ています。シカの創る木彫のような美しさを感じて欲しい」と話します。

 二十三日(月)まで。観覧無料。問い合わせは、同ギャラリー(℡24―7000)。