市内に建つ歴史的建物、旧宮北邸(九ノ十一)について紹介するリーフレットを、旭川の歴史的建物の保存を考える会(会長=川島洋一東海大学名誉教授)が作成した。

 旧宮北邸は一九一五年(大正四年)頃の建築。美瑛軟石を積んだ木骨石造二階建で、ドイツ人の設計とされる。

 一八九一年(明治二十四年)に和歌山県から永山村(当時)に屯田入植した宮北秀吉氏(当時14)は、日露戦争に出征するも負傷して復員。しかしすぐに戦勝景気を見込んで野菜を作り、樺太方面に出荷して財を成した。大豆や雑穀、肥料などに商売を広げ、やがて数千町歩の山林を所有する木材会社「宮北製材合資会社」を設立するに至った。旧宮北邸はその事務所の建物で、かつて併設していた木造住宅部分はすでに解体され、石造建築部分だけが現存している。

 完成したリーフレットはカラー印刷の四つ折りで、旧宮北邸の歴史のほか、東西南北の各方角から見た建築意匠を詳細に掲載するなど、建築ファンにとっても魅力的な内容だ。宮北家から考える会に多額の寄付があり、同会がそれを使って作成した。

 リーフレットに関する問い合わせは川島さん(℡34―6900)へ。

北海道の建築史を学ぶ講座

 川島洋一さんが講師を務める建築史講座「北海道の建築形態(デザイン)と建築技術の変遷を学ぶ」がサテライトキャンパスUプラザ(一条買物公園フィール七階)で開講中です。講座内容は次のとおりです。

 ・13日(木)午前十時半~「明治時代の建築の発展と変遷」屯田兵屋、官庁建築、産業集落形成、洋風建築、石造煉瓦造、都市計画

 ・20日(木)同「大正から昭和初期建築の発展と変遷」大正ロマン建築、和洋折衷様式、鉄筋コンクリート造建築、帝冠様式

 ・27日(木)同「戦後の建築から現代建築への発展と変遷」団地集合住宅、積雪寒冷地住宅、商業事務所建築、街づくり、高層建築

 聴講無料。誰でも受講できます。直接会場へ来てください。問い合わせは川島さんへ。