「いのちを食べて、いのちは生きる」――。ドキュメンタリー映画「ある精肉店のはなし」(二〇一三年・一〇八分/纐纈〈はなぶさ〉あや監督)の上映会が二十一日(土)、まちなかぶんか小屋(七条買物公園)で行われます。

 舞台は大阪府貝塚市にある、七代続く「北出精肉店」。家族四人で屠場で丁寧に捌かれた牛は、切り分けられ店頭に並び、皮は丹念に鞣(なめ)され立派なだんじり太鼓へと姿を変える。家族四代の賑やかな食卓の奥にひそむのは、いわれなき部落差別を受けてきた父の姿。二〇一三年三月、代々使用してきた屠畜場は、一〇二年の歴史に幕を下ろした。最後の屠畜を終え、北出精肉店も新たな日々を重ねてゆく――。

 「牛の飼育から屠畜現場まで、いのちが輝いている、前代未聞の優しいドキュメンタリー」(ルポライター・鎌田慧)と評された作品。「生」の本質を見続け、いのちと向き合う一家の姿を映しています。

 上映は、①午前十一時②午後二時③午後六時半。前売券千円(当日千二百円、各会四十席までのため、前売券優先)。チケットの購入・問い合わせはまちなかぶんか小屋(℡23―2801)まで。

 この映画を題材にプロデューサーの本橋成一さんが制作した写真絵本「うちは精肉店」の写真を展示する「けんぶち絵本の里受賞記念展」が二十二日(日)まで、ギャラリープルプル(七条買物公園)で開かれています。