ドキュメンタリー映画「ザ・トゥルーコスト~ファストファッション 真の代償~」(二〇一五・米・九十三分)と、「遭難フリーター」(二〇〇七・日本・六十七分)の上映会が二十六日(土)と二十七日(日)、まちなかぶんか小屋(七条買物公園)で行われます。まちなかぶんか小屋の自主企画「ドキュメンタリー・ナウ」の一環です。

 「ザ・トゥルーコスト」は、ファストファッション(低価格、大量生産でサイクルの短いファッションやその業態)が「本当に安いのか」を問うドキュメンタリー。世界の服の生産従事者はおよそ四千万人。その八五%は女性ですが、大半は途上国で人権を保証されない環境で働いています。また皮革工場の排水による健康被害、衣服のおよそ半分の原料である綿は遺伝子組み換え、そして化学物質が使用され…。華やかなファッション業界の真実を知り、消費者たちに選択を問いかける作品です。

 上映は、二十六日午前十一時と午後四時半、二十七日午後二時と午後七時の四回。

 「遭難フリーター」は、時給千二百五十円で働くフリーター・岩淵弘樹監督(23・当時)が自らの姿を淡々とカメラで撮り続けた作品です。不安定な非正規雇用から抜け出せず、仕事をする意味を見い出すこともできない。フリーターの権利を求めるデモに参加した彼は、テレビの取材を受けるが、放送された番組ではただただ「不幸で貧しい若者」でしかなく、さらには成功した友人からの説教が追い打ちをかける――。現代社会が生み出した“遭難者”の姿が、観客の胸に迫る作品です。

 上映は、二十六日午後二時と午後七時。二十七日午前十一時と午後四時半の四回です。

 上映会を企画した岡本成史さん(44)は、「『トゥルーコスト』は誰にとっても身近な衣服という切り口から、労働環境、人権、環境汚染などの問題を問いかける作品です。『遭難フリーター』はほぼ素人のホームビデオに近いカメラが、よく作られたドキュメンタリーよりもリアルに迫ってきます。華やかな映像の前者と素人の〝自撮り〟の後者という対極の二作品を通じて、社会問題を考えるキッカケになれば」と話しています。

 チケットは一作品千円(当日千二百円、会員八百円)。まちなかぶんか小屋(TEL23―2801)、あさひかわ新聞(八ノ六・TEL27―1577)で扱っています。