映画「サウダーヂ」(二〇一一年・日・百六十七分)の上映会が九月十日(土)、まちなかぶんか小屋(七条買物公園)で行なわれます。まちなかぶんか小屋の自主企画「土曜シネマⅣ ドキュメンタリー×フィクション」の一環です。

 舞台は山梨県の甲府市。ヒップホップグループ「アーミービレッジ」のメンバー・猛(たける)は、多くの外国人労働者と共に土木作業員として生計を立てている。両親はパチンコ中毒、弟は精神に異常をきたし、既に家庭が崩壊している状況だ。ある日の仕事帰り、土木作業員一筋で働く精司とタイ帰りの保坂にタイパブに連れて行かれる。盛り上がる二人を横目に、猛は外国人というだけで敵意を向ける。猛の周囲の状況は次第に悪化し、タイ人ホステスのミャオとタイで暮らすことを夢見る精司。怪しい商売に手を出す精司の妻・恵子。次々と廃業する下請け業に見切りをつけてまちを出ようとする保坂。そして失業していく外国人労働者たち。そんな中、外国人たちが集うクラブで、猛はかつての恋人・まひると再会する。そこで猛は日系ブラジル人のデニス率いるヒップホップグループ「スモールパーク」の存在を知る。まひるは猛に彼ら外国人と共生して欲しいと願い、猛は外国人たちを否定することで苦境にある自分を支えようとする。そして二つのヒップホップグループが競い合うパーティーの夜が始まる――。

 本作の舞台、山梨県甲府市出身の富田克也監督率いるグループ「空族」(くぞく)の制作。過酷な状況のもと懸命に生きる人々の、剥き出しの「生」を群像的に描いた作品です。

 まちなかぶんか小屋の竹田郁さん(33)は、「フィクションですが、実在のまちと実在の人びとが出演する、ドキュメンタリーにも近い群像劇です。旭川にはあまり外国人労働者はいませんが、映画で描かれる地方都市の空気や、『ここではないどこか』を求める人々の感情は、旭川でも感じられると思います。多様な人々との共存を実感できる映画です」とPRしています。

 上映は、午前十時、午後二時、午後七時。前売りチケットは千円(当日千二百円・会員二百円引き)。まちなかぶんか小屋、こども冨貴堂、ジュンク堂書店旭川店で販売しています。

 問い合わせは、まちなかぶんか小屋(TEL23―2801)へ。