旭川ゆかりの詩人小熊秀雄の作品を楽しむ朗読会「秋の詩(うた)2016」が十四日夕、「じゃずそば放哉」(六ノ七 ノムラビル一階)で開かれた。

 市民にもっと小熊の作品に親しんでもらおうと、小熊秀雄賞市民実行委員会(橋爪弘敬会長)が四季に合わせて企画開催していて、十四回目。

 六人が、市民実行委が編集・発行した小熊秀雄詩撰「星の光りのように」の中から、二編から三編の詩を朗読。集まった四十人は、コーヒーとケーキを味わいながら静かに耳を傾けた。

 旭川工業高校の放送局で活動する一年生、中村怜奈さん、斎藤京弥君、村山裕篤君の三人は、緊張した様子だったが、若者らしい清々しい声で聴衆を引き付け、大きな拍手を浴びていた。

 初めて小熊の朗読会に足を運んだという五十嵐千枝子さんは、「みなさんの朗読を聞き終わったとき、なぜか懐かしい思いでいっぱいになりました。そして、母を思っていました。不思議なことですが、きっと朗読の力なのでしょうね。これを機会に朗読の奥深さを楽しみたいと思います」と話していた。

 次回の小熊秀雄・朗読会「冬の詩(うた)」は、来年二月か三月に開かれる予定。