本紙の連載「暮らしの隅を彫る」の作者、岩崎彩香さんの作品展「旭山動物園を彫る」が十七日(金)まで、モンベル大雪ひがしかわ店(東川町東町二ノ二)で開催中だ=写真。

 岩崎さんは一九八五年(昭和六十年)旭川生まれ。札幌の大学を卒業後、旭山動物園で約五年間、デザインや事務、そしてペンギンの飼育係を担当。現在はゴム版画を使ったイラストを描きながら、主婦業とパートに奮闘中だ。

 同展では、ペンギンのほかホッキョクグマ、エゾタヌキ、タンチョウなど、それぞれの動物の特徴をとらえた作品約三十点を、詳しい解説付きで展示している。

 今でも年間パスポートを手に頻繁に訪れる動物園ファンという岩崎さん。会場で展示している作品も、写真を撮り、特徴や生態を動物園のスタッフや図録で学んでから描いているそうだ。

 また、会場ではイラストを使ったポストカードやブローチ、ポスターやカレンダーなども販売している。

 入場無料。午前九時から午後七時まで。問い合わせは、同店(TEL82―6120)へ。

坂東園長とのトークショー予定を超える30人が来場

 二月十九日には、坂東元・旭山動物園園長とのトークショーが行われ、予定を超える三十人が来場した。

 トークショーでは坂東園長が、開園五十周年の取り組みや「ボルネオへの恩返しプロジェクト」について解説。岩崎さんも動物園時代の思い出話などを披露した。

 来場者からは、明治時代に絶滅したと言われるエゾオオカミと、天敵がいなくなったことで増殖しているエゾシカを例に挙げ、「オオカミの再導入(人の手で再び野に放つこと)についてどう思うか」と質問が出た。

 坂東園長は「個人的には危険であると思います。日本人がオオカミとの付き合いを忘れてしまっているし、エゾシカなどから農作物への被害を守るなら、番犬を飼うなどしたほうが良いと思います」と答えていた。

 終了後、岩崎さんは「会場いっぱいに来てくれて、みなさま温かい反応をしていただけました。これからも動物たちに関心を持っていただけたら嬉しいです」と話していた。