本告勲さん(78)の写真展「旭川・美瑛・東神楽」が九月一日(金)から十五日(金)まで、ギャラリー喫茶ルル(六ノ八)で行われます。本告さんがここ一年ほどの間に撮影してきた風景写真の中から十六点を選んで展示します。

 本告さんは元HBC旭川放送局の局長で、一九九九年(平成十一年)に退職した後、美瑛や東神楽で風景写真を撮影してきました。二〇〇五年(同十七年)、北海道美術作家協会の道美展に初入選。一一年(同二十三年)には同協会の会員に推挙されました。一三年(同二十五年)には月刊誌「北海道経済」の表紙を一年間飾っています。

 展示作の一つ、「2017四季彩の丘ANNEX」について、本告さんは「四季彩の丘(美瑛)は典型的な構図がほぼ固まっているので、どこか他に良い角度がないものだろうかと探しました」と話します。元々この場所に、ハート型に見える桜の木がありましたが、枯れて別の樹種に植え替えられました。「ありし日の桜に思いを込めての一枚」という意味もあるそうです。

 ルルでの展示会は、〇八年(同二十年)から年に二回のペースで行ってきて、今回が二十回目です。「ルルは絵の展示会を行う方が多いので、絵画ファンが絵を見る感覚で私の写真を見てくれます。ルルで個展を続けて刺激を受ける感想を多く聞くことができ、大きな財産になりました」と話します。

 また同年から毎年、東神楽町図書館でも同町内を被写体とした五十二点の作品を発表してきました。「東神楽で撮影を続けるうちに、農家の人たちと仲良くなりました。みんな優しい人たちで、せっかく築いた良い関係を基盤にした写真を近いうちに撮りたいと考えています」。今展では、直線で構成された棚田の写真を展示します。

 今回は、住まいから近い常磐公園で撮った作品も展示に加えました。「少し前までは、気が付けば美瑛にいるというほど行動が早かったのですが、最近は年のせいか、今日じゃなくて明日にしようかな…なんて思ってしまうんですね。そんな話を写真の先輩方にすると、『身近に素材を見つけたら』とアドバイスを下さり、それで近所の常磐公園を季節ごとに撮ってみることにしたんです」。展示作の「常磐公園のまあるい秋」は、偶然に円に見える樹形が、“すべてそのままで良いのだよ”と励ましてくれているようにも思えます。

 午前七時半~午後六時(土曜日は午後二時まで、最終日は午後三時まで)。問い合わせはルル(TEL22―7911)へ。