旭川文学資料館(常磐公園常磐館内)で「旭山動物園の五十年展」が開かれている。

 旭山動物園が開園した一九六七年(昭和四十二年)から、十年ごとに区切って、合わせて百九十四点の写真やポスターなどを展示している。資料のほとんどは、旭山動物園や市立中央図書館が所蔵しているものを借り受けた。

 旭山から市街地方向を見た、樹木が生い茂っている開園前の動物園通りの様子や、たくさんの子どもたちが開園のテープカットを「今か今か」と待っている光景などの写真が目を引く。

 毎年作られてきたポスターは、印刷の色具合から年代が感じられる。ゴリラが被写体となった一九九一年のポスターは大好評で、同園には一枚も保存されていないため、パンフレットをポスター大に拡大コピーしたものを展示しているという。

 一九八一年五月から毎年数冊発行してきた動物園機関誌「モユクカムイ」(アイヌ語でエゾタヌキの意味)もある。当初は、飼育員時代の絵本作家・あべ弘士さんが表紙の絵を描いていた。現在、九十九号まで発行されており、次号は記念すべき百号となる。

 動物園を詠った佐佐木幸綱の歌集「群黎(ぐんれい)」や動物を描いた井上靖や芥川龍之介らの文学作品、二〇〇三年に公募で制作した「旭山動物園イメージソング」(作詞・富田正一、作曲・工藤昌晴)の楽譜やCDも紹介されている。

 この企画展は、一年前から計画。昨年十二月に八十二歳で亡くなった、七代目園長で旭川文学資料友の会会長の菅野浩さんが動物園など関係機関に連絡を取り、資料集めに奔走したという。

 四月二十七日まで。開館時間は午前十時~午後四時。休館日は日・月曜日、祝日(二月三、十、十一日は開館)。

坂東園長が講演 「伝えるのは、命」

 二月三日(日)午後一時半から、同館企画展示室で、旭山動物園の坂東元園長が「伝えるのは、命」と題して講演する。入場無料。定員五十人。申し込みは不要。直接会場へどうぞ。