旭川市友好都市の中国・ハルビン市から環境保全視察団の研究者ら五人が六日、旭川市内の企業二社を訪れた。

 来旭したのは、ハルビン市人民政府生態環境局の曹偉民(そう・いみん)団長ほか四人。バイオトイレを製作・販売している正和電工(橘井敏弘社長、工業団地一ノ一)と、廃棄物処理業のアンビエンテ丸大(西野尾孝子社長、神居町共栄)の二社を訪問した。

 受け入れの窓口となった市観光スポーツ交流部都市交流課の担当者は、「視察団に水や土壌の専門家もいたため、汚物処理に水を使わず、水汚染の懸念もないバイオトイレを扱う正和電工と、食物残さから堆肥づくりにも取り組んでいるアンビエンテ丸大を選び、案内しました」と説明する。
 視察団はバイオトイレを設置している旭山動物園を視察した後、正和電工を訪れ、橘井社長からバイオトイレの仕組みや、JICA(国際協力機構)の事業の一環として取り組んだベトナムの世界遺産・ハロン湾に設置したバイオトイレの成果について説明を受けた。

 研究員からは「使用するおがくずに汚物を分解する菌を入れる必要があるのか」「トイレットペーパーも一緒に入れていいのか」「中国にも似たような機器があるが、うまくいっていない」などの質問や意見が出された。

 市担当者によると、ハルビン市からは農業や教育関係者による視察の要望も届いているという。来年は旭川市とハルビン市が友好都市提携を締結して二十五年の節目の年。両市の交流は一層盛んになりそうだ。