(c)2018『沖縄スパイ戦史』製作委員会

アジア太平洋戦争の末期、沖縄では民間人を含めて二十万人が死亡する痛ましい戦闘が繰り広げられた。特務機関「陸軍中野学校」出身のエリート将兵らが、秘密裏に派遣された沖縄で実行した「裏の戦争」の顛末を追ったドキュメンタリー映画『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督、二〇一八年・百十四分)の上映会が十四日(日)、サンアザレア(六ノ四)で行われる。市民グループ、チーム「今だから」の主催。

 中野学校出身の青年将校たちは、十代半ばの少年たちを「護郷隊」として動員・組織し、ゲリラ戦やスパイ戦のスキルを仕込んだ。離島に派遣された工作員は、兵站任務のために島民を風土病が猛威を振るう危険地域へ強制移住させる。戦後七十年以上語られることのなかった、沖縄戦の深い闇が明らかになる。

 映画は、今まさに、南西諸島で進められている自衛隊増強とミサイル基地配備、「特定秘密保護法」の危険性へと深く斬り込んでいく。

 『戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)』(二〇一五年)、『標的の島 風(かじ)かたか』(二〇一七年)など沖縄をテーマにした作品を撮り続ける三上智恵監督と、フリージャーナリストでドキュメンタリー映像作家の大矢英代(はなよ)監督による共同監督作品。

 上映は①午前十時②午後二時③午後七時からの三回。チケットは、千円(当日千二百円)。大学生・障がい者五百円。高校生以下は無料。チケットと問い合わせは、こども冨貴堂(七条買物公園・TEL25―3169)へ。