あさひかわ創造都市推進協議会の渡辺直行会長ら四人が三月三十日、市役所を訪れ、米ハーバード大学大学院生が旧東海大学旭川キャンパス跡地の利活用についてまとめた報告書を西川将人市長に手渡した。

 同大学院の森俊子教授のもとで学ぶ学生十二人が、二月九日から十四日まで、旭川市と東川町などを訪れた。旭川市のユネスコ・デザイン都市認定を記念するシンポジウムに合わせて、旧東海大学旭川キャンパス跡地の利活用や東川町の世界の椅子を収集した織田コレクションミュージアムについて視察研修を行った。報告書は、先ごろ同大学院で行われた中間報告会で発表された。

 旧東海大学旭川キャンパス跡地の利活用について、「市街地と森に接し、森林と都市をつなぐユニークな空間位置にある。森林の端で農業を行う里山の生活を復活させ、失われた生物多様性と生態系を復活させる」「伝統工芸と革新的な研究が相互に影響し合い融合する、旭川国際デザイン研究ヴィレッジを提案。木材工芸学校や木材研究施設などを配置し、既存の森林を保護しながら、施設に通じる高架歩道を設置」など四項目を提案している。

 森教授は西川市長に宛てたメッセージの中で、旭川の印象を「自然資源と産業とデザインが多様な形で隣接し、お互い助け合い、協働しながら質の高いものを生み出しているまちは世界にないと思いました」と語っている。

 西川市長は「旧東海大旭川キャンパス跡地の利活用については、まだ決まっていない。ぜひ報告書を参考にしたい」と述べた。