旭川福祉専門学校(東川町)日本語学科で学ぶ中国からの留学生・何慧さん(37)が十月三日から三日間、「Dマイナーの夢」と題する写真展を市民ギャラリー(宮下通十一、上川倉庫蔵囲夢内)で開く。

 何さんは昨年四月、日本の自由な芸術環境に憧れて、写真の町・東川の学校で学びながら写真を撮りたいと上海からやって来た。

 上海師範大学観光学部を卒業後、写真家としての国家資格(現在は廃止されている)を取得。商品カタログや広告などの商業写真家として仕事を始めた。八年後の二〇一六年には会社を設立、「人体は神の傑作」という思いに基づく芸術写真家を目指して活動している。

 「でも、中国では女性の裸の写真などを撮ったり、掲示することは禁止されています。私の言っていることや、やっていることは、誰も相手にしてくれませんでした」と国外に出ることを決意した。

 東川町に移り住んで約一年半。「東川は自然が美しく、落ち着いた気持ちになり、インスピレーションがいっぱい湧きます。たくさんの写真を撮りました」と笑顔で話す。

 卒業まで半年となり、これまでの集大成として写真展を開くことにした。この夏、写真家を目指すモンゴルからの留学生と礼文島を訪れた時、裸体の彼女をモデルに大雨の中で撮影した作品を含め、A3とハガキ大のモノクロ写真各四十点を展示する。

 タイトルの「Dマイナー」は、もの悲しい音階を指す。「私は毎日、夢を見ます。夢の中の自分は、夢を見ていることに気づいていない。この人生も夢かも知れない、と思っています。このタイトルは、ちょっと哲学的な意味も含んでいます。展覧会では、私と同じような考えを持つ人と出会うのを楽しみにしています」と何さん。展覧会終了後、写真集の出版を計画している。

 尊敬する写真家は「アラーキー」こと荒木経惟(のぶよし)氏だという何さんは「卒業後、できれば芸術ビザを取って、大好きな東川に住み、訪日中国人たちの観光写真や結婚式の写真を撮りながら、芸術写真を続けて行きたい」と希望を膨らませる。

 写真展「Dマイナー」は、三日(土)午後一時~同六時。四日(日)午前十一時~午後六時。五日(月)午前十一時~午後四時に開廊する。