旭川市は二〇二〇年度から、コロナ禍で軽作業の受注が減少する就労継続支援事業所の障がい者の就労機会確保を目的に、布マスクの製作を依頼するなど、生産活動活性化事業を行っている。

 布マスクは、絵本作家・あべ弘士さんが柄のデザインを手がけ、市内の近藤染工場(近藤弘社長、一ノ三)と水野染工場(水野弘敏社長、大雪通三)の二社が生地の提供や染めを担う。それらの部材を用いて各事業所で縫製し、マスクに仕上げられる。

 生地の柄は、前回の四種に、ウサギ(イエロー)、ホッキョクグマ(ブルー)、ペンギン(ピンク)が新たに加わり、全七種となった。

市内の小1らに配付
動物園の自動販売機などで販売も

 今回は市内十二の事業所が参加して、一万五千七百枚のマスクを製作。そのうち一万五千枚を市が買い上げ、市内の小学一年生や未就学児(三~五歳)に配付した。残る七百枚は一般販売され、旭山動物園内の自動販売機など、市内各所で購入できる。

 自動販売機は、三本コーヒー(本社・札幌)の企画によるもので、旭山動物園くらぶ東門売店隣の無料休憩所内に設置。自動販売機には、マスクのほかに有機JAS原料を使用したものや、包材に紙を使っているものなど、SDGsに関連した道内企業の商品数種類も並ぶ。

 参加事業所の一つ「ふたば」(宮下通二十四)の施設長・北真弓さんは「コロナ禍でいろいろなことが自粛される中、利用者は楽しみながらマスクを作っていました。障がいといっても様々で、一人ひとりが個性を持っています。マスクを受け取った小学生も、顔も形も性格もみんな違います。人と違うというのは悪いことではなく、その違いを認め、助け合っていくことが大切、というメッセージが、マスクを通して伝わるといいですね」と語る。

 マスクは一枚七百円(自動販売機は九百円、ともに税込)。自動販売機のほか、ギャラリープルプル(七条買物公園)、道の駅あさひかわ(神楽四ノ六)、ギャラリー&喫茶 リーフ(宮下通二十四)、にちりん(八条買物公園)などで販売されている。(東寛樹)