一九八三年、東京での演奏活動にピリオドを打ち、旭川に来て「マインド・ジャズ」を提唱する創作活動を始めて四十年を迎える佐々木義生さんが三十日(日)、デザインギャラリー(宮下通十一)でソロ・コンサートを行う。

 ソロ・コンサートは前回、二〇一九年に行ったが、新型コロナの流行で、三年間音楽活動ができない状況が続いた。まだ落ち着いた状況ではないが、徐々に演奏会が開かれるようになり、「これまで追求してきたマインド・ジャズの集大成を、という思いで開催することにした」と意気込みを語る。

 佐々木さんは、一九九五年からゲイリー・バートンやチック・コリア、サミー・ネスティコなど世界的に著名な演奏家を招き、「ジャズマンス・イン・旭川」を二十年間にわたりプロデュースし、作編曲家として活動してきた。

 その後、二〇一八年から作曲活動、特にアジアン・ジャズの創作に没頭。このほど『Road to Asia(アジアへの道)』の四部作を完成させた。第一部はアフロユーラシア大陸の文化を、第二部はオホーツク文化を作った古代海洋民族の「モヨロ」を、第三部は南方アジアを、そして第四部はヨーロッパ文化の基礎を作った古代ケルト民族を、それぞれテーマに作曲した。「『音楽の源流』を模索する制作だった」と言う。

 「四十年間追求してきたマインド・ジャズが、風土に根ざした毎日の生活の中から生まれる音楽だと、今やっと、断言できるようになった。これからも旭川に根ざし、国境や人種の垣根を超える音楽を追求していく。音楽にはそれが出来る力があると思っている」と語る。

 コンサートは、アジアンジャズ第四部の最終作『森の詩』から演奏する。開演は午後七時。料金は二千五百円。チケットはコーチャンフォー旭川店ミュージックコーナー(宮前一ノ二)、まちなかぶんか小屋(七条買物公園)で取り扱っている。(佐久間和久)