「アーティスト・イン・レジデンスあさひかわ」(AIRA)の招へいアーティスト、美術作家・折原智江さん(30)の滞在成果展が今月、市内ギャラリーで行われる。

 折原さんは一九九一年、埼玉県生まれ。多摩美術大学工芸学科陶専攻卒業後、東京藝術大学大学院美術研究科先端表現科を修了。自身のルーツやバックグラウンドを基に、身近でパーソナルな素材と、身体的な感覚や認識とを織り交ぜながら作品を制作している。

 これまでの代表作は、せんべい屋の子どもとして生まれた折原さんが、一から技術を学びつくり上げたせんべいの墓石や、身近な人の死に向き合うことから着想した線香で作った盆栽、自身の涙から精製した塩、実家の庭の土から作った粘土を使用した壺など。

 今回の成果展では、折原さんが旭川の山や森林を歩いて集めた自然の素材を用いて、その色や香りを生かした線香のオブジェを制作・展示する。

 折原さんは「私の作品は、日常の生活の中からピックアップしてつくるものが多く、それを変化させて作品に落としこんでいます。自分に置き換えた時に、身近にあるものをどうするかを考えていると、視野が変わる瞬間があると思う。『自分が作り手だったら何をするか』と、想像しながら見るとより楽しめるかもしれません。香りも作品の要素のひとつなので、五感で楽しんでもらえたら」と話す。

 開催日時と場所は調整中で、決まり次第、折原さんのツイッター(@Oritoook)内で発表される。問い合わせはAIRA事務局(npk@nadc.jp)へ。(東寛樹)