旭川市内や近郊の演劇をプロデュースする「小劇場本舗」(豊島勉代表)の公演『楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~』が二十二~二十四日の三日間、市民活動交流センター・ココデ(宮前一ノ三)ホールで行われます。

 『楽屋』は、二〇二一年に他界した劇作家・清水邦夫さんの代表作。一九七七年の初演から、日本で最も多く上演されている戯曲と言われています。清水さんは、旭川を代表するアマチュア劇団「河」(一九五九~八六年)と交流があり、演出を何度か手がけたほか、書き下ろし作品の初演を同劇団が担ったりもしました。

 物語は、ロシアの作家・チェーホフの戯曲『かもめ』を上演中の、とある劇場の楽屋を舞台に、ヒロイン・ニーナを演じるベテラン女優と、その女優に悪態をつく二人の女優、駆け出しの新人女優、四人それぞれの“業”が辛辣かつ滑稽に描かれます。立場や世代に大きな差がありながらも、それぞれが女優という自己の存在意義を心身に深く刻み、役に固執するその姿は、「なぜ演じるのか」「なぜ生きるのか」という作者の問いでもあります。

 演出担当の高田学さんは「発表から四十年以上も経った戯曲ですが、劇で描かれる『憤り』『憧れ』といった人間の負の感情や自己承認欲求というものは普遍的で、現代でも共感できる内容になっています。役者の息づかいや視線の細かい動きがわかる会場なので、感情の動きなども一つひとつ感じながら楽しんでもらえたら。また、今回出演する女優陣は、旭川のベテラン三人と、新進気鋭の劇団から若手が一人。旭川の過去から未来へ、橋渡しの役割を担う舞台という見方もできるかもしれませんね」と話します。

 上演は、①二十二日(金)午後七時~、②二十三日(土)午後二時~、③同七時~、④二十四日(日)午後二時~(いずれも三十分前開場)の計四回。チケットは二千円、高校生以下千五百円(当日はともにプラス五百円)。ジュンク堂書店旭川店(一条買物公園 フィール旭川五階)、まちなかぶんか小屋(七条買物公園)、こども冨貴堂(同)で取り扱っています。

 予約・問い合わせは、小劇場本舗の豊島さん(TEL 090―8274―1604)へ。