旭川農業高校(永山町十四)が、髙砂酒造(市内宮下通十七)や市内協力企業と進めている日本酒醸造プロジェクトの一環で十六、十七日の両日、水稲班の生徒が髙砂酒造を訪れ酒造り体験作業を行った。

 旭農高の生徒が酒米の栽培から収穫、酒の製造、製品化までを実際の作業を経験しながら学んでいくというプロジェクトで、今年で三回目。四月から同蔵をはじめ、地元企業の協力のもとで進められてきた。九月には、この酒を飲んで皆が憩いの時間を過ごせるようにという思いを込めて商品名を「憩ふ雫2024」(いこのふしずく)に決定した。また、今年は自分たちで販売ができるようにと「甘酒」の製造も同時に進行している。

 今回は五月に田植えし、九月に収穫した酒米「きたしずく」約千五百㌔を醸造する。同校農業科学科水稲班の二、三年生十四人が参加した。

 杜氏の森本良久さん(54)から工程の説明を受けながら蔵内を見学。蒸米や製麹作業のほか、プロジェクト酒の酒母が育つタンクを覗くと、生徒たちは自分たちが作ったコメが変貌した姿を目の当たりして興味深く眺めていた。
 また、実際に同蔵で仕込み中のタンクで中の醪(もろみ)を混ぜる「櫂(かい)入れ」と、仕込み前にコメを洗う「洗米・浸漬」の二工程の作業を体験した。

 櫂入れ作業を体験した二年・伊藤皐夢(さむ)くんは「このプロジェクトに参加するまで、どんな工程で酒ができるかを全く知りませんでした。農家さんや職人さんが丹精を込めて造っていることを知れました。お酒が飲める歳になったら、このメンバーで集まって一緒にこのお酒を飲むのが、今から楽しみです」と話していた。

 プロジェクトは今後、二月にラベル貼り、三月には「憩ふ雫」と「甘酒」の完成発表会を予定している。(工藤森)