人材育成・支援制度構築
2つを軸に事業設計
あさひかわ地域創造デザイン局(D局、武田壮平代表理事)が発案した「地域に根ざした知的財産活用支援制度の構築事業」が、経済産業省北海道経済産業局の「中小企業等知的財産支援地域連携促進事業費補助金」の採択事業となり、取り組みが進められている。
旭川市が二〇一九年に、ユネスコ創造都市ネットワークのデザイン分野への加盟が認定されて以降、市内ではデザイン思考やデザイン経営などのアプローチで、企業を伴走支援する取り組みが行われてきた。しかし、支援者のスキル不足や支援制度が不明確などの要因から、成果に結びついていなかった。
D局はこの課題を解消し地域企業の成長を支援するために、同事業を発案。支援する側の「人」が最も重要であるとの考えから、「人材育成」と「支援制度構築」の二つを軸に事業を設計した。
D局が考える理想の人材像は、デザイン思考をベースにしつつ、生成AI(デジタル)と文化人類学(アナログ)の視点を併せ持った人。そのため、それらを融合したリサーチスキルに加え、知的財産に関する視点を養うための研修を行い、企業の知財の発掘や、創造から活用まで一連のプロセスを伴走できる実践型人材「アドバンスド・インタウン・デザイナー(AID)」の育成を目指す。そして、AIDがリードしながら地域企業の関係者らと連携して新しい支援制度を構築し、地域企業に導入・定着させるのがねらい。
武田さんは「地域の多くの企業では、すでに持っている知財を効果的に活用できていなかったり、独自の技術を知財化できていなかったりしているのが現状です。知財は権利を守るためのものというイメージが強いと思いますが、それをビジネスに有効活用することで企業の稼ぐ力が強まり、地域経済の活性化にもつながっていくでしょう」と、事業の主旨を説明する。
3月に報告会
他地域への展開も視野
昨年八~九月に開かれた人材育成研修では、外部講師による講義やワークショップが五日間にわたって行われ、参加した九人が「知財」「デザイン思考」「生成AI」「文化人類学」の基礎を学んだ。
同年十月からは制度構築の研修に移行し、市内三つの企業の協力のもと、構築した支援制度の試作モデルをつくり、実践。フィードバックや成果の統合を経て、最終的な制度の構築作業を行う。
武田さんは「今回の支援制度は、企業がゼロからイチを生み出すきっかけをつくるためのもの。企業や経営者の中にある、ゼロとイチの間にあるものをしっかり探索して可視化するのが大きなテーマで、イチを生み出すまでの様々なプロセスが大切だと考えています。この取り組みが地域企業に浸透することで経済競争力が高まり、地域の活性化につながっていくといいですね」と笑顔を見せる。
三月十一日に成果報告会を開き、今年度の活動は終了。次年度以降は、同事業を「地域知財活用支援モデル」として、他地域でも実装できるよう整備し、展開することを目指しているという。(東寛樹)
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