img国の試験研究機関である独立行政法人水産総合研究センターさけますセンター(札幌市豊平区)が平成二十一年、二十二年、二十三年のそれぞれ四月に、石狩川水系で各回五十万匹のサケの稚魚を放流する。自然保護団体、大雪と石狩の自然を守る会(寺島一男代表)などが協力して実施する。

石狩川におけるサケ天然産卵資源の回復とともに、漁業における経済的効果も見込む。

放流場所の候補となっているのは石狩川支流の愛別川と、忠別川支流のポン川。湧水があって結氷しないこと、流れが緩やかで深みがある、稚魚を運ぶ大型車が流れの近くまで寄れるなどの条件で放流場所を選定しており、放流前に再調査するとしている。

来年春に放流する稚魚は、早ければ平成二十三年の秋に遡上する可能性がある。センターでは、その遡上状況をみながら平成二十四年の放流数などを見極めていく予定だ。

この計画の協力団体である大雪と石狩の自然を守る会は、これまで二十五年間にわたって市民からサケの里親を募り、毎年春に二万匹ほどの稚魚を石狩川に放流する活動を続けてきた。この日は今年の飼育活動について説明する会も開催された。

寺島代表はさけますセンターの計画について「野生のサケを取り戻す大きな一歩。同時にサケが帰って来られるような河川環境の回復が必須です。守る会としての稚魚放流も、国の事業と平行しながら、ずっと続けて行く予定です」と話した。