国鉄を五十五歳で定年退職した亡父は、その年の夏、肺がんで死んだ。一九二三年(大正十二年)の生まれだから、生きていれば九十七歳になる。その妻、つまり私の母親は、父と二歳違いだから、九十五歳。今も独り暮らしで、「赤飯を炊いたから、取りにおいで」などと電話をくれたりする。 記事全文 »