童謡作家金子みすゞの詩と生涯を描いた英訳の絵本『ARE YOU AN ECHO?(こだまでしょうか)』(米国シアトルのチン・ミュージック・プレス刊)の出版を記念するトークイベントが、二十九日(日)午後二時から、別格別院・願成寺(五ノ十九)で開かれます。旭川みすゞ会の主催です。

 みすゞは二十六歳で亡くなるまで約五百編の詩を残し、詩人・西條八十から「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛されました。死後、彼女の存在と作品は忘れ去られていましたが、詩人の矢崎節夫が遺稿を見つけ出す作業を続け、一九八四年『金子みすゞ全集』(JULA出版局刊)が出版されました。東日本大震災直後、テレビから流れたみすゞの詩「こだまでしょうか」は多くの人々の心に響きました。

 『ARE YOU AN ECHO?』は、みすゞのことを英語圏の子どもたちにも伝えたいとの思いから、デーヴィッド・ジェイコブソンさんが、みすゞの生涯についての文章を書き、「私と小鳥と鈴と」など十五編の詩は、日系カナダ人のサリー・イトウさんと叔母の坪井美智子さんが英訳し、挿絵は徳島県在住の画家・羽尻利門さんが描きました。

 ジェイコブソンさんは米国エール大学で日本の政治学を学び、その後はジャーナリストとして日米の放送や新聞の世界で活躍してきました。現在、編集や作家としての活動もしています。 

 当日は、ジェイコブソンさんと矢崎さんの対談のほか、みすゞの遺児・村上ふさえさんとJULA出版局社長の大村祐子さんも話します。午後四時ごろ終了の予定です。

 参加費は千円(中学生以下無料)。チケットは、ジュンク堂書店旭川店とコーチャンフォーミュージックコーナー、こども冨貴堂、冨貴堂末広店で扱っています。