旭川で活躍するプロのデザイナーが、子どもたちにイラストや木工、フラワーアレンジなどを指導する「デザインっておもしろい!?」が六日、市科学館で行われた。旭川デザイン協議会(伊藤友一会長)の主催。

 東海大旭川キャンパスが閉鎖され、デザインに関わる人を育てる市内の環境が弱体化している。そうした状況を受けて、同協議会が“未来のデザイナー”を育てようと、小学生を対象に開催するイベントの第一弾だ。

 インテリアデザイナーの大谷薫さん、家具・木工デザイナーの中井啓二郎さん、写真家の今津秀邦さんと皆川健一さん、イラストレーターの津田稔夫さんら八人の会員が、それぞれ専門とする分野を指導した。

 イベント準備の中心を担い、当日はイラストを指導した竹田貴治さん(45、北海道地図デザイナー)は「小学校や中学校では、絵画や粘土彫刻など美術は学べても、商業がベースにあるデザインを学ぶ機会はありません。子どもの頃にプロのデザイナーと接する体験を通じて、ある目的のもとに絵を描いたり、ものづくりをする行為を体験して欲しい」とこの事業の意義を話す。

 夏休み中の日曜日ということもあり、親子連れを中心に約五百人が参加。行列ができるブースもあった。デザイナーのやはずのよしゆきさんが、実際に使える切手のグラフィック・デザインを指導するブースは、午前中で予定数を終了する人気ぶりだった。

 竹田さんは「子どもたちの吸収の早さに、指導する私たちの側も刺激されて、忘れていた気持ちを思い出しました。来年以降もぜひ継続して行きたいです」と手応えを話していた。