和風旅館扇松園(高砂台三)で八日、観光で来旭するイスラム教徒の食事についてのセミナーが開かれ、同旅館のスタッフと一般参加者十五人が受講した。

イスラム教徒への飲食提供は「ハラール対応」「ムスリム対応」と呼ばれ、宗教を信仰する事で、食べ物や飲み物に制限がある人に提供する飲食物対応の事をいう。

講師を務めたのは、尾崎満範さん(デザインスタジオオザキ社長)。尾崎さんは、年々増加するイスラム教徒の観光客が、食事を宿泊施設でカップラーメンなどで済ませている現状を聞いたことから活動を始めた。自社で発行しているグルメ情報誌「kutta(くった)」の中からハラール対応をしている飲食店を集めた「ムスリムフレンドリーマップ」を作成し、配付している。今年の冬まつりでは、訪れたイスラム教徒の観光客を案内し、まつり会場に出店しているハラール対応の店舗などを紹介した。

セミナーでは、世界人口に対するイスラム教徒の人数対比や、増加する観光客から聞いた旭川の印象、どのような点に気を付けなければならないかなどを説明し、「こんなに美味しいものがある旭川に来て、カップラーメンを食べている現状は本当悲しい。制作したマップには、私が把握している十一店舗の飲食店を掲載しているが、今後対応する店舗が増えることで観光客増加にも繋がる」と訴えていた。