八十四歳の翻訳家スヴェトラーナ・ガイヤーの数奇な半生を追ったドキュメンタリー『ドストエフスキーと愛に生きる』(二〇〇九年、九十三分)の上映会が三十日(日)、サンアザレア(六ノ四)で行われます。まちなかぶんか小屋のドキュメンタリーナウⅥ・特集「表現と出合う、場」第二弾です。

 一九二三年、ウクライナ・キエフで生まれたスヴェトラーナは、スターリン政権下で少女時代を過ごし、ナチス占領下でドイツ軍の通訳として激動の時代を生き抜いた。そしてドストエフスキーの長編小説をロシア語からドイツ語に翻訳する仕事に没頭する。

 彼女が「五頭の象」と呼ぶロシア文学の巨匠・ドストエフスキーの長編五作とは、『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』『白痴』『未成年』『悪霊』。スヴェトラーナはなぜ、その翻訳に取り組み始めたのか。一人の女性が歩んだ数奇な半生に静かに寄り添う静謐(せいひつ)な映像が、文学の力によって高められる人の営みをたおやかに描き出す――。

 二〇一〇年モントリオール国際ドキュメンタリー映画祭最優秀賞など数々の賞を得ている作品です。

 上映は、午前十時、午後二時、午後七時の三回。

 前売りチケットは、千円(当日千二百円、会員・学生は二百円引き)。まちなかぶんか小屋(七ノ七・TEL23―2801)、こども冨貴堂(七条買物公園)、ジュンク堂書店旭川店(一ノ八・フィール旭川内)で扱っています。