「社会を明るくする運動」作文コンクールの表彰式が十四日、旭川保護観察所(花咲町四)で開かれた。

 「社会を―」は、罪を犯した人や非行少年たちの改善更生への理解を深め、明るい社会づくりを目指すことを目的に法務省が主唱して行われ、六十八回を数える。

 その一環のコンテストには道北管内の小中学校延べ四十四校から、千百五十点の応募があった。保護司らが審査し、小学生の部、中学生の部それぞれ三点が、優秀賞に選ばれた。六作品は、中央推進委員会に推薦された。

 式では、旭川地方推進委員長の長谷川保・旭川地方検察庁検事正から、賞状と記念の盾が贈られた。その後、作文発表が行われ、欠席した一人を除く五人が作文を読んだ。

 その一人、六合中一年の五十嵐敬信君は、「僕の家は真宗大谷派のお寺です」と書き始め、今夏、お寺を訪ねて来た一人のおじいさんと、自分の曾祖父の関わりについて書いている。そのおじいさんは若い頃に警察に捕まるようなことをして、曾祖父の保護観察下にあった。九十歳をすぎたおじいさんは、お寺に曾祖父の写真を返しに来たという。

 「曾祖父にお世話になったと話すおじいさんは、曾祖父が亡くなった後も曾祖父のことを想いながら、一生懸命に生きてきたのだと、写真を大切にしているおじいさんを見て、僕は思いました」

 「優しそうなそのおじいさんは、亡くなって六十年近くも経つ曾祖父のことを今でも大切に想い、そして夢にまで出てくるほど曾祖父との思い出があるのだなと思いました」(後略)

 五十嵐君を含め、読み終えた五人に、集まった更生保護関係者や学校関係者らから大きな拍手が送られた。

 五十嵐君のほかの受賞者は次の通り(敬称略)。

 ▽小学生の部 林拓哉(留萌・港北小六年)、青木心愛(末広小六年)、久保田美卯(近文第二小六年)▽中学生の部 小林梨那(中富良野中三年)、渡部彩萌(旭教大付属中三年)