ふだん記旭川グループ(岡田勝美代表)が『旭川のふだんぎ』六十九号を刊行した=写真。

 ふだん記は、東京都八王子市の故・橋本義男さんが一九六八年(昭和四十三年)に「庶民自らが庶民の歴史(自分史)を記録する」ことを提唱して始まった運動。「ふだん記」は「ふだん着」の気楽さで、上手下手を問わず、自分の言葉で日頃の思いや生活体験を書き残そうと名付けられた。

 旭川グループは八〇年(同五十五年)に文友十一人、四十四ページの創刊号でスタートし、現在グループ員は約百八十人(市内・道内外を含む)。近年は高齢化が進み、書き手が減っている現状だが、寄せられる文章は、意欲あふれるものばかりだ。

 市内の江口正司さん(88)は「初めて買った『ふだんぎ』半分も読まないうちに部屋のなかで見失い、そのまま忘れてしまいました。このたび偶然にも本誌に再会したのが六十八号でした。『ふだんぎ』のひらがな四文字タイトルに誘われ、文章欲力の書き込み労力時間は人様十倍を費やしますが、劣等感を投げ捨て、まずは自分史を書いてみることにしました」と書き始め、朝鮮・大邱市から始まり、満州・大連市での小学校生活、父親の突然死で北海道・利尻島へ渡った過去を振り返っている。現在、介護付の老人施設に入居中だが、元気なら次回は職場生活時代のことを書くと意欲を見せている。

 編集部は「時代と深くかかわる家の歴史・自分の歴史を庶民の言葉で記録として書き残してみませんか」と、七十号の原稿を募集している。

 誰でも投稿できる。四百字詰め原稿用紙十枚がメド。会費や会則はないが、発行協力費として二枚まで二千円。一枚増えるごとに千円が必要(写真やコピーも一枚千円)。次号の締め切りは三月末。

 『旭川のふだんぎ』は千円(税込)。旭川冨貴堂豊岡店とジュンク堂書店旭川店で販売している。

 問い合わせは、岡田代表(TEL31―1248、〒078―8235 旭川市豊岡五―三―九―十九)へ。