「岩田道夫遺稿出版記念展・2020」が、きょう二十八日(火)から八月二日(日)まで、市民ギャラリーコレクション館(宮下十一、蔵囲夢内)で開かれます。ギャラリーミクロコスモス(村田和子代表)の主催。

 二〇一四年、五十八歳で逝去した岩田さんの遺稿は東京の出版社・未知谷(飯島徹社長)から、ここ十カ月の間に七冊が刊行されています。これら本の生原稿と自身による挿絵原画などを中心に、さまざまなファンタジー絵画、消しゴムアート作品を展示します。

 村田代表は「七冊の本は岩田さんが二十歳代の頃に書いた、ファンタジーの世界です。岩田さんの作品群は実に多岐にわたりますが、今回の記念展では皆さんに岩田さんのファンタジーの世界を観ていただこうと思います」と話します。

 岩田さんは一九五六年、網走市生まれ。北大理学部を卒業目前に中退。以後、創作に専念し、絵画や詩、童話を制作しました。八九年に札幌から旭川に移り住み、旭川の自然を題材とした創作活動を展開しました。九二年、童話集『雲の教室』(国土社)で日本児童文芸家協会新人賞を受賞。九六年、旭川の嵐山を描いた詩画集『チノミシリ』を出版。一四年七月、心臓発作のため亡くなりました。

 岩田さんが残した多くの作品の中から、未知谷はこれまで『イーム・ノームと森の仲間たち』、ふくふくふく絵本シリーズの『水たまり』『影の散歩』『不思議の犬』の三冊、『ファおじさん物語 春と夏』『同 秋と冬』、それに『らあ らあ らあ』の計七冊=写真=を刊行しています。

 岩田さんは生前、村田さんに「童話は魂の独り言」と話していたといいます。記念展は岩田さんの魂に触れる機会とも言えるでしょう。

 開場は、午前十一時から午後六時まで(最終日は午後四時まで)。