旭山動物園(坂東元園長)と旭川電気軌道(河西利記社長)が共同で製作したラッピングバス「旭山どうぶつえん号」が八日から、市内を走っている。

 前日の七日には、動物園正門駐車場でバスのお披露目会が行われた。バスは、二〇〇七~一四年まで運行していた初代に続く二代目。デザインは初代から引き続き、デザイナーのあべみちこさんが手がけた。

 青色ベースと黄色ベースの二台をデザインした。あべさんは「初代の時は、ただ『みんなを楽しくさせよう』という思いでイラストを描きました。それから十年以上が経った今回は、人も動物も自然と共に生きているということや、“生命”というものを込めて描いています。バスの後面には動物のおしりが描かれていて、どの面を見ても楽しめますよ」と笑顔で説明する。

 また外装のほか、車内の天井にはペンギンが泳いでいるような装飾が施され、設置されたデジタルサイネージで動物園の動画(旭山動物園くらぶ編集)が放映されるなど、乗っても楽しい仕様になっている。

 河西社長は「コロナ禍で動物園も厳しい状況の中、何か役に立てないかと相談させてもらい、ラッピングバスの製作に至りました。子どもたちがこのバスを見て、『バスに乗りたい』、『動物園に行きたい』とワクワクして欲しい。明るい笑顔がたくさんはじける動物園に、早く戻ってもらえたら」と期待を込める。

 バスは、JR旭川駅と旭山動物園とを結ぶ路線のほか、市内各路線を運行している。

 坂東園長は「このバスが、まちなかを走るということに意味があると思います。地元の人たちに『いつか動物園に行きたい』という気持ちを積み重ねていってもらいたい。そして、『自分たちも頑張ろう』という元気にもつながる、素晴らしいバスができました」と完成を喜んだ。