松本さんの作品「旧永山農業学校 玄関棟」

 建物をテーマにした作品を集めた「建物アート展」が八月三十一日から六日まで、フィール旭川(一条買物公園)五階ギャラリージュンクで開かれた。旭川の歴史的建物の保存を考える会(軽部望会長)の主催。

 絵画や版画、立体模型、ペーパークラフトなど様々な手法で建物の美しさを表現する、同会独自の企画。二十八人の作品、計七十六点が出展された。

 昨年に続いて出品した松本玲子さんは、同会が選ぶ建築賞を今年受賞した「旧永山農業学校 玄関棟」(永山町十四)を段ボールと厚紙を素材に制作した。「建物の色を再現するのが大変でした。その色に近い素材を探して使っています」と説明する。


横山達雄さんが79歳のときに制作した「大礼記念館(公会堂)」

 また、松本さんから同展の話を聞いた金子眞知子さんが、建具職人だった父・横山達雄さん(故人)がかつて制作した、大礼記念館(公会堂)と生家の模型を出展した。「このような展示会があると知り、父の作品も少しは日の目を見るかなと思い、今回出展しました。ぜひ若い人にも見てもらい、まちの歴史を知るきっかけになれば」と話す。

 軽部会長は「回を重ねるごとに来場者が増えており、この展示を見て『次回出品したい』と言ってくれる方もいました。また、様々なジャンルや切り口の作品が混在しているので、作者同士が刺激を受け合う場にもなっています」と振り返った。