旭川ゆかりの詩人・小熊秀雄の没後八十周年を記念する企画展が、旭川文学資料館(常磐公園・常磐館内)で開催中だ。

 小熊(一九〇一―四〇)は旭川新聞に記者として勤務していた大正後期から昭和初期にかけて、多くの詩人や歌人と交流した。企画展は小熊の紹介とともに詩人の今野大力や鈴木政輝など十五人の詩人や歌人、画家なども併せて紹介している。

 学芸員の沓澤彰俊さんは「今年は小熊の没後八十周年ですが、今野大力の没後八十五周年にも当たります。小熊と今野は親しく、二人に深く関わりのあった人たちを系統的に取り上げました」と説明する。

 小熊が事務局役を務めた「旭川歌話会」の中心メンバーだった歌人の酒井広治や齋藤瀏、齋藤史、また当時、旭川新聞によく投稿し、後に知られるようになった人たちを卒業した学校ごとに紹介している。旭川中学は小池栄寿(詩人)、潟岡路人(歌人)、平岡敏男(詩人、元毎日新聞社長)、旭川商業は下村保太郎(同)、中家金太郎(同)、西倉保太郎(同)、旭川師範は海老名礼太(詩人)、入江好之(同)、桜井勝美(同)といった具合だ。

 写真パネル(五十三点)と文章パネル(五十六点)、直筆色紙(七点)、水彩画(一点)、はがき(七点)、書簡(一点)、短冊(二点)、書籍(約二百冊)の合計、約三百三十点を展示。

 このほか、小熊が晩年に愛用した文机(市博物館所蔵)も展示されている。

 十月十日(土)午後一時半から、「旭川歴史市民劇とゴールデンエイジを生きた文化人」と題する記念講演会が、同館二階講堂で行われる。講師は、同市民劇の総合プロデューサーであり脚本も担当した那須敦志さん。定員は四十人。

 入場無料。同展は来年一月三十日(土)まで。開館は午前十時から午後四時。休館日は日曜日、月曜日、祝日、年末年始。問い合わせは、旭川文学資料友の会(TEL22―3334)へ。