6日、従業員らに3000円相当の食品配付
もっと広げたい支援の輪

 「コロナ禍で、三・六街の店はどこも経営が苦しく、従業員の生活も本当に大変です。私のところも御多分に漏れず苦しいのですが、彼女たちを何とか手助けしたいという気持ちは持っていました。そのことを常連のお客さんに話したら、多額のお金を寄付してくれました。そのお金を活用させて戴き、インスタント食品などの詰め合わせを三・六街で働く女性たちに配布することにしました」と旭川観光社交組合の奈良岡晴美組合長(「ダンヒル」経営)は説明する。

 寄付の額は百万円。昨年十二月下旬に七十歳代の客から、その意思が奈良岡さんに伝えられた。使い道を組合のメンバーと検討し、「食べ物を。それも若い人向けに簡単に調理できるもの」と、インスタント食品などの詰め合わせセットに決めた。

 寄付の主が匿名を条件に取材に応じてくれた。「仕事で行き詰った時など、よく三・六街に飲みに出たものです。女性たちの笑顔や励ましに鋭気をもらい、『よし頑張ろう』という気持ちになれました。大方の男性なら、この気持ち分かるはずです。困っている時はお互い様。ほんの少しの手助けですが、私の気持ちです」。

 一月二十三日に、即席ご飯や味噌汁、インスタントラーメン、レトルトカレー、缶詰など七種類、三千円相当の詰め合わせ百袋を希望者に配布。第二弾として、六日に三百袋を作り配付する予定だ。

 奈良岡さんは「組合員を中心に配付していますが、もっと寄付が集まれば範囲を広げていきたい。困っているのは飲食店ばかりでなく、タクシーの運転手さんや店に納品している業者の人たちも大変な思いをしています。できるだけ支援の輪を広げていきたい」と思いを語る。

 配付希望の申し込みと寄付についての問い合わせは、旭川観光社交組合(TEL24―1010)か、奈良岡さん(TEL090―8906―3721)へ。(佐久間和久)