髙砂酒造(宮下十七)が五日、美瑛町美馬牛の山中で、搾り立ての原酒をタンクに入れたまま貯蔵する雪囲い作業を行った。

 雪の中に埋めたのは、高さ三㍍、直径二㍍の七㌔㍑タンク二本。氷点下十度の極寒の中、輸送タンクの管が凍るトラブルもあったが、七人の蔵人が約五時間かけて作業を行った。

 それぞれのタンクには、北海道産の酒造好適米・彗星(すいせい)を使った「純米酒 大雪 雪中貯蔵」と、同じく吟風(ぎんぷう)で仕込んだ「純米吟醸酒 大雪 雪中貯蔵 」の二種類が詰められている。貯蔵タンク全体を雪で覆うことで、タンク内の温度がマイナス二度前後に保たれ長期低温熟成が進み、搾りたてのやや荒々しい酒質がまろやかに仕上がるという。

 杜氏の森本良久さん(52)は「今年は天候にも恵まれコメがよくとれて、順調に仕込みができました。あとはこの貯蔵でそれぞれのコメの特徴が表現できれば」と期待をにじませた。

 貯蔵した酒は、三月末頃に掘り出してびん詰めされ、四月から五月にかけて店頭に並ぶ予定だ。(工藤森)