特許や商標登録、意匠などの知的財産に関する分野で、多大な社会的貢献があったとして個人・企業の業績を称える二〇二四年度の知財功労賞・特許庁長官表彰に、旭川市内の正和電工・橘井敏弘社長とカンディハウス(染谷哲義社長)が受賞。十八日、石破茂首相も出席し、表彰式が行われた。
知的財産権制度
人材の育成に尽力
正和電工は微生物の働きで排泄物を分解処理するバイオトイレの製造・販売会社。社長の橘井さんはバイオトイレ開発で積極的に特許や意匠、商標登録を取得。これは、自社の商品価値を高めることと同時に、他社の権利を侵害しないためでもあったという。
旭川発明協会会長や北海道発明協会副会長を長年務め、発明の奨励、知的財産権制度の普及・啓発と人材の育成に力を注いできたことが高く評価された。
知的財産に関する定期的なセミナーの開催や相談会を実施するなど、精力的に地域への知的財産制度の浸透に尽力。また市内小中学生の自社への見学の受け入れや、バイオトイレに関する出前授業を行うなど、次代を担う人材育成に貢献し、行政や教育機関と連携して制度の普及にも尽力してきた。
橘井社長は「バイオトイレは最初の頃、見向きもされなかったが、このような高い評価を頂き大変嬉しい。SDGsの時代、これからますまずバイオトイレの存在意義が高まってくることを願う。また大災害時にも対応できるトイレ開発にも取り組んでいる。知的財産の取得は、規模の小さい企業にとって利益率が高い商品開発につながること。これからも大いに奨励に努めていきたい」と語った。
デザインを経営資源に
ブランドの一貫性維持
家具メーカーのカンディハウスは、一九六八年の創業以来、長く愛される家具を世界へ発信するという理念のもと、国内有数の家具産地・旭川でのものづくりにこだわってきた。
当初からデザインを最も重要な経営資源として、「地球環境と調和するデザイン経営」を実践し、製品の意匠やロゴ等の商標を登録するなど、ブランドの一貫性を維持。また、輸送による環境負荷を考え、地元産の木材を積極的に活用することで、使用比率を一〇%未満から約八〇%に増加させ、約六〇%のCO2削減にもつなげている。さらに、旭川市のデザインイベントで運営の中核を担うなど、同市のユネスコ創造都市ネットワーク(デザイン分野)認定にも大きく貢献したことが評価された。
染谷社長は今回の受賞を受け「デザインへの情熱と旭川家具の伝統を守り、革新を続ける挑戦が認められた証と、喜びを噛み締めている。良質な北海道材と職人の技、上質なデザインとの融合で、世界に誇れる家具づくりを目指してきた。創業当初から『デザイン』を最も重要な経営資源とし、意匠・商標登録による知財戦略を強化してきた。今後も地球環境との調和を追求し、持続可能なものづくりを通して、心地よさと感動を発信し続けたい」とコメントしている。(佐久間和久、東寛樹)





