稀代のジャズピアニスト、チック・コリア(一九四一―二〇二一)が二〇〇五年、旭川市大雪クリスタルホール音楽堂で演奏したソロ・コンサートをライブ録音したCD「WELCOME TO MY LIVING ROOM:ASAHIKAWA2005 (ウェルカム・トゥ・マイ・リヴィング・ルーム:旭川2005)」=写真=が販売中だ。

 CDのタイトルになっているように、チックは音楽堂を「マイ・リヴィング・ルーム」と呼んだ。チックにとって、旭川は「本当にリラックスできる空間」だった。

 CDのブックレットに、チックを旭川に五回招へいした村田和子さんは次のように書いている。

 「『ここが僕を原点に引き戻してくれた所だから』と演奏の時には必ず『Welcome to my living room』と言って始めるのだった。その思いの強さを知ったのは、演奏に先立ってなぜプログラムを出さないのかと聞いた時だった。『ここでだけは、僕は完全に自由でいたいんだ。プログラムを決めた途端に、それに束縛されるからね。此処ではステージに上がって聴衆の顔を見てから演奏を始めたいんだ』。彼が『Welcome to my living room』と言って、聴衆を迎えてくれる真意を改めて強く感じたのであった」。

 十七曲中、チック作曲の「カズコ・ブレリア(Kazuko Buleria)」「旭川(Asahikawa)」「旭川クワイア(Asahikawa Choir)」の、村田さんと旭川への思いを込めた三曲が収められている。またCDに使用されている写真は、すべて旭川の写真家・太田一彦さんの撮影によるもの。定価三千三百円(税込み)。

 また『チック・コリア・フォーエヴァー音楽・人生・日本』(監修 青野浩史・小川隆夫、シンコーミュージック・エンターテインメント刊)も発売されている。

 チックの多彩な足跡を追った内容。共演者やスタッフのインタビュー、貴重な発掘記事、各種論考や評論、日本関連の秘蔵写真や逸話に加え、作品リストや来日講演記録なども充実の一冊。

 ここにも村田さんが「チック・コリアとクリスタルホール」と題した一文を寄せている。

 A五判、二百八㌻、定価三千八十円(税込み)。(佐久間和久)

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