「大広重展 東海道五拾三次と雪月花 叙情の世界」が、道立旭川美術館(常磐公園)で開かれている。

 同展では、江戸時代後期に活躍した浮世絵師・歌川広重の代表作や晩年の傑作など、約二百点の作品が展示されている。

 中村聖司館長は、「広重といえば『東海道五拾三次』が有名ですが、本展では晩年の傑作『名所江戸百景』や肉筆画など、多種多様な作品をご覧いただけます。また、二十年後に同じ場所を描いた『五十三次名所図絵』と比較しながら見ることができ、面白い発見があるのではないかと思います」と同展の見どころを話す。

 十一月二十三日(月・祝)まで。開館時間は、午前九時半~午後五時(展示室への入場は四時半まで)。祝日を除く月曜日と十月十三日(火)は休館。観覧料は、一般千円、高大生六百円、中学生以下無料。障がい者手帳を持つ人は無料。

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 関連事業として二十日、「ゴッホと広重~いっしょに学ぶジャポニスム~」が同館講堂で開かれた。講師は中村聖司館長。

 講座では、十九世紀後半から二十世紀初頭にかけて欧米の美術界で広がったジャポニスム(日本主義)の概念と、西洋の作家が日本美術から受けた影響について紹介。後半では特に、フィンセント・ファン・ゴッホと歌川広重の作品の関係について、同展の出品作品を取り上げながら掘り下げた。

 十九世紀後半、万博や画商の活動などを通じて日本美術の欧州流入が加速。特に広重や北斎の浮世絵が、ホイッスラー、ガレ、マネ、モネ、ロートレックら西洋の作家たちに影響を与え、モチーフの直接引用に留まらず、大胆なトリミングや俯瞰視点、平面的な色彩構成といった表現技法が取り入れられた。

 パリ時代に浮世絵に出会い、魅了されたゴッホは、広重の「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」や「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」を模写し、日本美術の表現を自らの作品に吸収した。油彩「タンギー爺さんの肖像」の背景には、浮世絵が描き込まれている。また、南仏アルルを「フランスにおける日本」と見立て、日本に夢を見ていたことについても触れた。

 さらに、ゴッホの作品やジャポニスムの潮流が、その後の西洋美術に与えた影響についても紹介。アール・ヌーヴォーなどへの広がりに触れ、講座を締めくくった。講座には約五十人が参加し、熱心に聞き入った。

 同じ内容の講座は、十月四日(日)午後二時から同三時半(三十分前開場)にも開催予定。当日自由参加(定員五十人程度)、聴講無料。他にも、学芸員の見どころ解説など、関連事業多数(詳細はチラシ、美術館ホームページ等で確認を)。問い合わせは同館(TEL 25―2577)まで。(岡本成史)

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