旭川市体育協会(増田一雄会長)は二十八日、同協会の中島雅夫・前事務局長(54)が約五百二十万円の横領を認めたため、三十一日付けで免職とすると発表した。

 

 増田会長は「体協始まって以来の不祥事で、市民の皆様に多大な迷惑をかけた」と陳謝。同事務局長を刑事告訴することも明らかにした。

 同協会によると、現金の取り扱いについて、専務理事(市OB)と同事務局長が議論していたところ、六月二十八日に突然退職願いが提出された。ただ、退職が来年三月三十一日になっていたため、おかしいと思い専務理事らが調べたところ、支出表の偽造と領収印を悪用した多額の現金横領が発覚した。

 横領は一九九七年(平成九年)から始まったようで、まず定期預金三十万円を取り崩した。〇一年からは、スポーツ大会への派遣費や役員報酬などの支出表を偽造し、昨年まで横領を続けていた。

 中島前事務局長は「ローンの返済に使った」と話しており、十月十日までに全額返済すると話しているという。

 同協会は市総合体育館(花咲五)に事務局があり、一九八五年(昭和六十年)に財団法人化。市が出資している第三セクターで、市OBが専務理事などに天下りしているほか、前会長は坂東徹前市長。

 中島前事務局長は、財団化された時からの生え抜きの職員で、九五年から事務局次長、〇五年から事務局長として経理を一手に引き受けていた。

 同協会は改善策として、支出帳票の点検を行うほか、代理処理の場合は必ず後閲をするなど、相互牽制を徹底するとしている。