img昨年六月、市に高規格救急車(車両本体二千百万円相当)を寄付した(株)村本金属(市内二ノ十五、村本陽一社長、従業員五十人)に、国から紺綬褒章が授与され、六日、市役所で伝達式が行われた。

同社は昨年六月に創業百周年を迎えた老舗。寄付のきっかけは十六年ほど前、前社長の故・村本龍一さんが「百周年にはぜひ式典をしたい。それはパーティーのような形のないものではなく、何か市に貢献出来る寄付をしたい」と発言したことだった。それから百周年に向けての積み立てが始まった。寄付品を救急車と決めたのは十二年ほど前のことだと言う。

残念ながら龍一さんは、この寄付を見届けることなく、一昨年十二月、七十五歳でこの世を去った。しかし、その遺志は受け継がれ、昨年六月、二千百万円相当の高規格救急自動車の寄付が、十五年の年月を掛けた末にゴールを迎えた。

伝達式の後、同社の本社事務所であさひかわ新聞の取材に応えた代表取締役副社長、村本文宏さん(48)は「今回の寄付は父の遺志でもあり、何としても完結させたかった事業です。また、先月当社ではハワイへの社員旅行を実施しましたが、これは百周年のもう一つの柱でした。二つとも無事完結せねばならないという意識が、このところは常に頭の中にありました」と心情を語った。