高砂酒造(宮下十七)が九七年(平成九年)から毎年行っている、原酒を雪中貯蔵したタンクを取り出す作業が先月三十日、美瑛町美馬牛で行われた=写真。

 搾りたての日本酒の原酒をタンクごと雪の中に埋めて、約百日間低温熟成させる、北国ならではのユニークな貯蔵法「雪中貯蔵」。タンクが雪に覆われるため、常時タンク内の温度が〇℃前後に保たれる。この方法で貯蔵された酒は、通常の熟成された酒よりもまろやかな仕上がりになるという。

 この日、雪に埋もれた七キロリットルタンク二本を掘り起こし、担当者が利き酒をおこなった。今年もしっかりと香りが酒に入っている、いい出来とのこと。酒はこのあと同酒造に運ばれ、さらに三カ月ほど熟成された後、六、七月くらいには店頭に並ぶ予定だ。