小熊秀雄賞市民実行委員会が「飛ぶ橇文庫 小熊秀雄―詩・人・童話―」を刊行した。

 詩や絵画で知られる小熊秀雄(一九〇一―一九四〇年)は、十八編の童話を書いている。旭川で青年時代を過ごし、作家としての出発点となった地元の市民に、もっと小熊の作品を身近に感じてもらいたいと、実行委員会が北海道文化財団の支援を受けて企画。約二年間かけて、ブックレットを十冊一組にしたスタイルで発行した。

 「豚と青大将」「焼かれた魚」など十二編の童話と、代表作の長編叙事詩「飛ぶ橇」、詩「長長秋夜」の韓国語対訳、「マヤコフスキーの舌にかわって」のロシア語訳のほか、小熊の三十九年の生涯をたどる「小熊秀雄ものがたり」の十冊で構成されている。

 挿絵は、地元の画家、高橋三加子さんと堀川真さんが担当。造形作家で、小熊秀雄賞の選考委員を務める藤井忠行さんが編集、装丁にあたった。挿絵はモノクロで、全体が昭和モダンを感じさせる編集になっている。

 同実行委は、市内の全小中学校の図書館や家庭文庫に寄贈する予定で、二百冊程度をこども冨貴堂(七ノ八)と冨貴堂MEGA(二ノ七マルカツ六階)で一般販売する。価格は三千円(税込)。

 問い合わせは、実行委事務局の高田さん(TEL61―2731)へ。