市民実行委員会(松田忠男会長)が運営する第四十三回小熊秀雄賞の贈呈式が二十二日午後、旭川ターミナルホテルで開かれた。

 全国から応募があった七十八点の中から選考委員の激しい議論の末に選ばれたのは、小樽市在住の花崎皋平さんの長編物語詩集「アイヌモシリの風に吹かれて」だった。

 式には西川将人市長、小池語朗教育長を始め六十人が出席。松田会長から正賞の詩人の椅子(板津邦夫デザイン・カンディハウス制作)と副賞三十万円が花崎さんに贈られた。

 花崎さんは受賞の挨拶で「来年八十歳になろうとするときに、このような賞をいただいたことは幸せの極みです」と語り、受賞作の詩の一節を年輪を感じさせる深く柔らかな口調で朗読した。

 式には、東京生まれの花崎さんが北海道に住み着く大きな動機をつくった詩友で、第四回小熊賞の準賞を受賞している江原光太さん(87)も駆けつけ、祝福する姿が印象的だった。