第十回目の小熊秀雄を「しゃべり捲くれ」講座が十六日夜、ときわ市民ホール(五ノ四)で開かれた。小熊秀雄賞市民実行委員会の主催。
今回の講師は、高校教諭の小峯久希さん(46)。「小熊秀雄と二〇一一年」と題し、多くの資料を使って話した。会場に集まった約三十人の参加者の中には高校生の姿もあって、熱心に耳を傾けていた。
小峯さんは国学院大学を卒業後、教職に就き、現在は旭川南高校の教諭。小熊秀雄賞市民実行委員会が〇七年に刊行した「小熊秀雄詩撰 星の光のように」の編集作業に携わった。
小峯さんは自らの思考過程と小熊とのそれとが重なるかも知れないとの実感から語り始め、小熊の詩の変化について同人誌や詩集に発表した作品から解説した。そして、「民衆のために、やさしい言葉で真実を語ったのが小熊の詩。小熊の詩の中には、日本の末路を予言しているようなものもある。それは、絶望感の強い詩だが、辛い思いを抱えながらも、生き抜く力にあふれている」と語った。